病院・介護施設など医療の分野でもクラウドを活用しようという試みが始まっているのをご存知ですか?
医療の現場で役立つクラウドを「医療クラウド」といい、医療業界を大きく変えると注目を集めています。
未来の地域医療を変える、医療クラウドの可能性を知りましょう!
高まる期待!未来を変える医療クラウドとは?
医療分野では、カルテやレントゲン、診療記録、お薬手帳など様々な情報を扱います。
しかし、これらの情報は病院や薬局といった医療機関ごとに個別に管理しており、他の医療機関とうまく連携が取れていないことが課題です。
これらの情報をクラウド上に集め、医療業界全体で効率的に運用しようというのが医療クラウドの構想です。
医療機関の間で情報を共有することで、医師や看護師、薬剤師の連携がより綿密になり、患者のストレスも少ない最適な医療を実現できると期待が高まっています。
被災地に広まる医療クラウドの効果と、残された課題
2013年7月、宮城県気仙沼地域で70以上の医療施設が「医療クラウド」に参加し、仮運用が始まりました。
情報共有に同意した患者それぞれに独自の16ケタのIDを割り当て、各病院や施設の利用者番号などと関係づけるシステムです。
これまでは患者の記憶に頼ることが多かった、過去にかかった病気や、どんな治療を受けたのかといった情報をデータベースから簡単に取り出せるようになりました。
宮城県の関係組織が一丸となって情報共有に動いた直接のきっかけは、震災時に津波でカルテや利用履歴を喪失する病院が相次いだことにあります。
しかし、医療機関が連携を取るための基礎が整ってきた今でも課題はあります。
それは医療クラウドという技術面より、それを扱う「人」や「組織」の問題です。
一部の医療機関だけが医療クラウドによる連携に積極的でも、参加する病院が増えなければせっかくのシステムも役に立ちません。
ITに不慣れな小さな診療所などでも導入しやすい安価なシステムが提供され、地域医療連携の幅は広がります。
さらには、地域の医療関係者の心を結束させることが今後の課題といえるでしょう。
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